採用難といわれている業界では、人材の確保だけではなく定着させることも難しくなっています。
また、人材確保のために新卒採用をしてみたものの、想定していた人数が確保できなかったという企業様も多いでしょう。
そこで本記事では、採用難の原因や解消するためにできる対策を詳しく解説します。
採用難でお悩みの担当者様は、ぜひ最後までご覧ください。
採用難の原因とは
採用難になる大きな原因は、日本全体の人口が減少しているという問題が根本にあります。
生産年齢人口の減少
生産年齢人口と呼ばれる15歳から64歳までの年齢の人口が減少していることが、採用難の原因の1つです。
日本は少子高齢化が年々進行しており、2020年の総人口は1億2,614万4,000人であるものの、2060年には9,000万人以下になるかもしれないといわれています。また、その際の65歳以上の高齢者が人口の40%を占めるという推計も出ています。
1995年までの日本では生産年齢人口は増加傾向にありました。
しかし、1995年をピークに減少傾向となり、1995年は生産年齢人口が8,726万人であったことに対して、2015年は7,728万人まで減少しています。
生産年齢人口が減少するということは働ける人が減っているということであるため、今後さらに採用難に陥る可能性が高いといえるでしょう。
企業と求職者のミスマッチ
採用難の原因に、企業と求職者のミスマッチも挙げられます。
従来までは、多くの企業が新卒や第二新卒を採用して必要となる人材を育てていくという方針で活動を行っていました。
しかし、新型コロナウイルスが流行したことにより経営状況が厳しくなり、人材を育成できる余裕がなくなったことから、即戦力となる人材を求める企業が増えています。
このように採用傾向が変わったことで、企業側が求めている人材のスキルと求職者の実際のスキルに差が生まれ、採用まで至らずに人材不足になってしまうことが現状です。
また日本では、スキルではなく年功序列によって給与が高くなる企業が多いため、スキルの高い人材は給与の高い海外の企業へと流れやすい傾向にあります。
若手の離職増加
新しく就職活動をする求職者のなかには、給与だけではなく仕事へのやりがいを重視する人や福利厚生の充実を重視する人が増えています。
そのため、働き方が改善されない企業に勤める若手の従業員は、働きやすさを取り入れている企業へと流れて、離職率が高くなるという結果に陥ってしまいます。
働き手の高齢化
すでに働いている従業員の高齢化も、採用難の原因の1つです。
熟練度の高い従業員が退職をすると、生産力が下がります。
今後、さらに生産年齢人口が減ることが予想される日本では、新しい人材の確保のための競争が激化することにより若年層の確保も難しくなっています。
若年層の確保ができないことから、現場の人材不足にさらに拍車がかかっているという企業が多いです。
熟練度の高い従業員を若手でも増やすためには、新しい人材の確保が重要だといえるでしょう。
採用難が起きやすい5つの業界
さまざまな業界がある日本のなかには、特に採用難で悩んでいる業界があります。
ここからは、採用難が起きやすいとされている5つの業界を詳しく紹介します。
採用難でお困りの方は、自分の企業の業界が含まれていないか確認してみてください。
建設業
建設業では若者離れが起きて就業率も年々低下しており、新たな人材を確保するための採用が難航することで、採用難に陥っていると考えられています。
建設業が採用難になる主な原因は、従業員に対する仕事の負荷が大きいことが挙げられます。
建設業は現場での作業になるため、現場で発揮できるある程度のスキルが必要です。
しかし、2021年以降から建設の需要が高まり、人手不足にもかかわらず業界自体は忙しくなっています。
また、建設業界は週休二日制が導入されていない企業も多く、労働時間が長い傾向にあります。
人材不足という現状に加えて労働時間が長いと、新しい人材の確保が難しく採用難に陥ってしまうでしょう。
IT業界
IT業界も、採用難に陥っている業界の1つです。
IT業界は、近年のDX化の影響もあり年々急激な成長を続けている業界ですが、その成長スピードに若手の人材獲得や育成が追いついていないことも事実です。
求められるスキルが高く、即戦力になる人材を確保することがつねに求められているため、未経験者の就業がしづらいともいわれています。
また、システムトラブルが起こった場合には早急に対応しなければならないため、休日や夜間を使って作業を行うケースもあります。
そのため、既存の従業員でも体調不良や生活環境などを理由に離職をする人が多い業界です。
建設業と同様に、既存の従業員の離職率が高まり新しい人材確保ができずに、採用難になりやすい業界だといえるでしょう。
飲食業
飲食業界は、慢性的に人材不足に悩まされている業界であり、正社員よりもパートやアルバイトの割合のほうが多いといわれています。
パートやアルバイトなどは、学生や主婦などを中心に応募が集まりやすいですが、就職などをきっかけに退職をする人も多いです。
また、給与が低いことや拘束される時間が長いことなども、求職者にとって敬遠されやすい原因でもあります。
2022年1月に帝国データバンクが行った「2022年度の賃金動向に関する企業の意識調査」によると、76.6%の飲食店が人手不足であると回答したことが分かりました。
近年では採用難を解消するために、外国人の採用も積極的に行っている業界です。
医療・福祉業
医療・福祉業界も、飲食業界と同様に慢性的な人手不足に悩まされている業界の1つです。
少子高齢化の日本では、医療や介護などの需要が高いことに対して従事者の数を確保できていません。
これからも少子高齢化が進むとされている日本では、高齢者の数が増える傾向にあります。
また、勤務内容が過酷であることに対して給与や勤務時間などの待遇がよくないことも、新しい人材の確保が難しくしている要因です。
運送業
荷物を運搬する運送業も、人材不足に悩まされています。
運送業界は、特に高齢化が進んでいる業界の1つです。
ベテランである40歳以上のドライバーが多いことに対して、採用難で若手の人材確保ができていないこともあり、今後も人材不足が大きな問題になることが予想されます。
また、トラックで荷物を運搬するため、労働時間が非常に長く環境がよいとはいえません。
労働時間が長くなる要因としては、荷物を下ろすまでの拘束時間や人材不足のなかでも配達する荷物が増えていることなどが挙げられます。
採用難を解消するための対策
最後に、採用難を解消するための対策を4つ紹介します。
新しい人材の確保に悩まれている企業の方は、ぜひ参考にしてみてください。
採用業務の見直し
新しい人材の確保のために、採用業務を見直すことも対策の1つです。
採用難の状態で、ただ求職者の応募を待つだけではなかなか人材は集まりません。
そのため、求職者に対して企業から直接アプローチをすることも大切です。
たとえば、ダイレクトリクルーティングやリファラル採用の導入、人材サービスの活用など、新しい採用方法を取り入れることも考えてみましょう。
ただし、これらの採用方法にはそれぞれのメリットやデメリットがあります。
新しい採用方法を取り入れる際には、どのようなメリット・デメリットがあるのかを押さえておきましょう。
新しいチャレンジをすることも大切ですが、自分たちの企業や業界に合った採用方法がなにかをしっかりと考えることが重要です。
離職率を抑える
働く環境がよくないと、離職率は高くなってしまいます。
そのため、働きやすさを取り入れて離職率を抑えることも採用難の対策です。
たとえば、労働時間に対する給与が見合っていない場合や福利厚生が充実していない場合には、既存の従業員が離職する原因になってしまいます。
従業員の給与が労働時間に見合っているのかどうかの確認を行なったり、特別休暇や家賃補助などの福利厚生を取り入れたりすることが大切です。
もし、契約社員を雇用している場合には、契約社員を正社員として受け入れる方法も検討しましょう。
契約社員は、正社員と同じ業務内容であることに対して雇用形態が異なるため、不満が生まれやすいです。
新卒・中途人材へのアプローチ方法の見直し
採用難の対策として、新卒や中途人材へのアプローチを変えることも大切です。
新卒採用をする場合に、地方に住んでいる学生へのアプローチが注目を集めています。
地方学生は、都会に住んでいる学生に比べて学業に専念していることが多く、積極性の高い学生が多いといわれています。
地方学生を含めた新卒採用の対象となる学生を、インターンシップとして受け入れることも検討してみてください。
中途人材の採用は、第二新卒と呼ばれる人材の採用を考えてみましょう。
第二新卒の明確な定義はありませんが、新卒で入社した会社を3年以内に離職した人もしくは25歳以下の人のことを指します。
第二新卒はすでにビジネスマナーを身につけているものの、前職の社風に染まっていないことから、新しい会社になじみやすいという特徴があるためおすすめです。
募集要項の見直し
最近の求人媒体は、紙ではなくインターネットでの求人募集が主流になってきています。
しかし、インターネットでの求人も他社との差別化を行わなければ、求職者からの応募はなかなか増えません。
そのため、採用したいターゲットとなる人材の目にとまるような求人広告を出すことが大切です。
募集要項には大まかな記載ではなく、具体的な内容を記載することを意識してみましょう。
採用難の原因は少子高齢化が進むなかで生産年齢人口が減っているため
採用難の大きな原因は、少子高齢化が進んで生産年齢人口が減っているためです。
また、企業とのミスマッチにより若手が離職をしてしまうことや、働き手が高齢化していることも原因の1つだといわれています。
現在、採用難に悩んでいる主な業界は「建設業」「IT業界」「飲食業」「医療・福祉業」「運送業」の5つです。
採用難の対策としては、企業からアプローチをするといった採用業務の見直しや福利厚生を充実させて離職率を抑えるなどが挙げられます。
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