新型コロナウイルスによって生活様式がガラッと変わってしまいましたが、皆さんの職場では如何でしょうか?これまで「重要なことは対面で」としていたものが、「基本は非対面で…」となった職場も多いと思いますが、医療従事者や製造現場、接客業などは業務の特性上、今も対面コミュニケーションが主となっています。対面のため、会議や打ち合わせを簡素化しているところも多く、そこで決定した内容を参加者以外に周知するのも人を介して行うため、正確に伝えることは簡単ではありません。

人を介すことで内容や意味が変わってしまうことは、皆さんも伝言ゲームなどの経験から、容易に想像できるのではないかと思います。特に仕事においては数値などの情報を正しく伝えることだけに焦点を置きがちですが、数値に間違いは無いものの、その意味を端折ったり主観も含め誤った解釈で伝えてしまうと、情報は正確なはずなのに額面通りにしか共有されず「なぜやるのか」や「決定に至った意味や背景」など重要なことが伝わっていないことが多いのではないでしょうか。

例えば、労災や不良品トラブルの再発防止について打ち合わせを行った場合、起きた事象や改定事項について正確な情報を伝えることは、重要と言うより最低限であり、「〇〇をなぜ変更することになったのか」「〇〇を導入することの意味」など、経緯や背景などを含めて伝えることが重要だと私は思います。周知された内容を順守すれば再発は防げるかもしれませんが、そこに至った経緯を知ることにより、受け取る印象が全く違ったり、更なる改善や応用に繋がったりと、伝播するものは計り知れません。

このように、伝言は正しい数値や情報を伝えることも大切ですが、背景や意味を含め正しく伝えることで本来の価値となります。コミュニケーションの時間を短縮化する中ではありますが、ここは削って欲しくないものです。 (代表取締役 高橋智仁)

 

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