「平成」も残すところ僅かとなりましたが、新入社員が「平成生まれ」というだけで大騒ぎしていた頃が懐かしいですね。その平成を振り返ってみると、IT化が進んだ時代と言われますが、同時に変化に富んだ時代とも言われています。特に働き方については、皆さんもご存知のように年々変化し、Wワークは勿論、休暇の増加や時短制度、更には在宅勤務もできるテレワークを導入している企業も最近では珍しくありません。
こうした変化は時代の流れではありますが、会社や組織をマネジメントしている立場からすると、この取り組みのひとつひとつが大きなチャレンジでもあります。新たな取り組みがマッチするかどうかは、やってみないとわかりません。導入後に違和感から反発があったり、業種や職種によっては一時的に生産性の低下を招く可能性もあります。
最近では、社員満足を高める取り組みが多くなってきておりますが、福利厚生の拡充のような変化はメンバーからの反応も良く、すぐに満足度向上に繋がります。しかし、このような取り組みは定着すると「もっと○○だったら…」と、ないものねだりに繋がっていくとの声も少なくありません。反応の良い取り組みほど導入したくなるものですが、その後の効果について考えるのも私たちの大事な役割です。同じ社員満足に向けたものでも、例えば、「提案や相談をした後に必ずフィードバックがある風通しの良い組織をつくろう」という地道な変化などは、「通常の業務が忙しすぎて、ひとつひとつにフィードバックしきれない」など、こういう取り組み自体を辞めた方がラクとの声が出ることもあります。
こうした時間の掛かる取り組みの真意は、「今」をラクにするためにではなく、「未来」に向けた大切な変化のための取り組みです。時間を掛けてでも取り組む価値があることを伝え、理解を得ることが重要です。
私たちはすぐ目に見える効果に期待しがちですが、早い遅いではなく、その変化から得られる価値を最大化するために、効果の表れづらいことも大切にしていきたいものです。(代表取締役 高橋智仁)