書店で「成長」というキーワードで探してみると数多くの書籍が並んでいますが、こうしたポイントを知って実際に修正できる人は、ほんのひと握りだとも言われています。成長のポイントは、皆さんもご存知のように新しい発想や異質な考えを取り入れてみるなど、一言で言うと「素直さ」がよく挙げられます。しかし、育成の場では「私は素直ではない」と思っている方が皆無の中、「素直に…」と訴えたところで響きづらいのも事実です。自身が素直かどうかは解りづらいものですが、身近な言葉で確認することができます。皆さんは次の三つの言葉を聞いたり、使ったりしたことはないでしょうか?

「私、知っています」 「私、やっています」 「私、出来ています」

私は【成長=自分自身を拡張すること】と定義していますが、その成長を阻害する要因はこの三つの言葉に集約されています。先輩や上司から経験談や考え方などの情報を得た時、そこが自身を拡張できるチャンス(タイミング)でもあり、また分かれ道でもあります。皆さんもお解りのように、すぐに実践する、良いものを進んで取り入れるところに成長はありますが、自身の経験や感情が先に立ち、上記のような言葉が出てくるところに成長はありません。特に、中堅層ともなると経験も多く、既に知っている、やったことがある、出来ている、と感じることが多いのではないでしょうか。ここで重要なことは、成長する、しないではなく、貴方のために…と情報を提供してくれたことに対して「知ってます」「やってます」「出来てます」と返してしまっては、いずれ情報を提供してくれる人は周りから居なくなり、成長どころか、独りになってしまうということです。

素直さの有無が孤独に繋がるというのは大袈裟に聞こえるかもしれませんが、成長には協力者の声が必要ということは、上司の居ない私も例外ではないと感じます。(代表取締役 高橋智仁)

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