人手不足が続いている今、計画通りに採用が進んでいる企業は、ほんのひと握りの1割以下と言われています。採用の遅れから、教育制度や福利厚生の見直しを行い、社員のスキルや士気の向上、賃金や休暇など条件面の拡充に努めていらっしゃる企業も多いのではないでしょうか。こうした企業努力の一方で、現場からは「もっと〇〇だったら」「他社は〇〇なのに」と、更に改善を求める要望的な声が挙がることも少なくないと、人事担当の方々からよくお聞きします。逆に「うちの〇〇は良いと思う」「この〇〇があって良かった」といった自社の取組みへの賛同の声は、要望的な声と比べ集まりにくい傾向にあると言われています。
このように賛同する声は思っていてもなかなか表には出ず、否定的な声ほど挙がりやすいのは、個人の意識もあると思いますが組織や文化、環境がそうさせていると考えることもできるのではないでしょうか。普段から「いいね!」と声に出す方が、身近に何人いらっしゃるでしょうか?それ以前に私たち自身が、「それ、いいね!」とメンバーに伝えているでしょうか?何かを打ち出した時、否定的な声が出ないということは賛同してくれているはず。そのように判断するのは自然なことかもしれませんが、賛同の声こそ、直接聞けたら何より嬉しいものです。「これいいと思います!」この言葉に勇気をもらい、背中を押してもらえるのは、年齢や立場関係なく、誰にとっても同じではないでしょうか。
良いもの、良いことを目にした時、「これいいね!」と声に出すことは、その場だけでなく、一緒に働くメンバーのために大切な一言です。簡単なようで最初は照れ臭さもあるかもしれませんが、この一言が自然と言い合える環境が、やがてよい組織やよい会社を育む「文化」に繋がるのではないでしょうか。(代表取締役 高橋智仁)